これまでのドローンの民間ライセンスに加え、国家ライセンス化が開始されました。
こちらでは、民間ライセンスを持っておくことのメリット、国家ライセンスを取得することのメリットを解説していきます。
民間ライセンスと国家ライセンスについて
民間ライセンスとは
国土交通省航空局へ無人航空機の操縦者に対する講習等の実施に関し、届け出をして航空局ホームページに掲載された民間企業が実施する講習において無人航空機を飛行させるうえで必要となる知識・技術・その他を身に付けテストに合格した者に与えられる認定証のことである。また、国家ライセンス講習を受ける際に、経験者としてみなされるため、講習日数の省略に伴い講習費用も少なく済む場合がある。
国家ライセンスとは
国土交通省航空局の講習機関としての厳格な審査を通過し、国土交通省航空局から認定を受けた登録講習機関が実施する講習において無人航空機を飛行させるうえで必要となる知識・技術・その他を身に付けテストに合格した者に与えられる資格のことである。
民間ライセンスと国家ライセンスの違い
民間ライセンスの場合
- 民間ライセンスは、無人航空機を飛行させるうえで必要となる、10時間以上の飛行経験を証明するものとなり、当然、講習の過程で知識・技術・その他を身に付け、講習を終了した者としての証明となるもの。
- 民間ライセンスを取得しただけでは無人航空機を飛行させるうえで特定飛行を行うことはできない。
- 特定飛行を行う者は、国土交通省航空局へ特定飛行を行うための飛行許可・承認を受ける必要がある。
- 特定飛行を行うための飛行許可・承認を得る際に、民間ライセンスを取得しておくことで、提出する資料が省略される。
- 特定飛行の飛行許可・承認を得るための申請には、基本的に民間ライセンスと飛行させる予定の機体が揃うことで申請が可能となる
- 特定飛行を行う際には、飛行計画の通報を行う必要がある。また、特定飛行を行わない場合にも飛行計画の通報は行うことが推奨されている。
- 特定飛行を行う際には、飛行日誌・日常点検・整備記録を行う必要があり、飛行日誌においては常に携行しておく必要がある。
民間ライセンス取得から飛行許可・承認を受けるまでの流れ
民間企業が実施する講習を受講
講習修了し、技能認定証明証を取得
技能認定証明証、機体の用意
国土交通省航空局へ飛行許可・承認の申請
許可・承認を得た後、飛行可能
国家ライセンスの場合
- 国家ライセンスは、国土交通省航空局より登録講習機関としての許可を得た講習機関が無人航空機を飛行させるうえで必要となる、知識・技術・その他を身に付け、講習を終了し、一般社団法人日本海事協会の実施する筆記試験に合格した者である証明となるもの。
- 国家ライセンスを取得した者は、等級(1等、2等)によって、許可・承認を得なくても特定飛行を行うことができる。また、飛行させる機体は国の定める認証機体(1等、2等それぞれ異なる)のみ飛行させることができる
- 特定飛行を行う際には、飛行計画の通報を行う必要がある。また、特定飛行を行わない場合にも飛行計画の通報は行うことが推奨されている。
- 特定飛行を行う際には、飛行日誌・日常点検・整備記録を行う必要があり、飛行日誌においては常に携行しておく必要がある。
国家ライセンス取得から飛行許可・承認を受けるまでの流れ
登録講習機関の実施する講習を受講
登録講習機関の行う講習修了
日本の海事協会の実施する、学科試験の受験
身体検査の受診
資格発行後、飛行可能
それぞれのメリット・デメリット
メリット
- 民間ライセンスを取得することで、無人航空機を飛行させるうえで必要となる知識・技術・その他を身に付けることができるため、許可・承認さえ得ることができれば飛行させるということ自体には問題がない。
- 民間ライセンスを取得することで、国家ライセンス講習の際に経験者とみなされる。
- 現時点での国の発表している情報として、2022年12月5日より3年間は民間ライセンスの効力があるものとし、その期間内に民間ライセンスを取得することで、飛行実績を積み、飛行に必要な知識、実務経験を得るための期間がある。
- 国家ライセンスの取得に比べて、民間ライセンスの取得の方が、比較的容易である。
- 国の定める認証機体とは関係無く幅広いメーカー等の機体を選び、飛行させることができる。
デメリット
- 国家ライセンスに比べ法的効力はない。
- 無人航空機を飛行させるうえで、特定飛行を行う場合には許可・承認を得る必要がある。
- 現時点での国の発表している情報として、2022年12月5日より3年間は民間ライセンスの効力があるものとし、その期間内に限り経験者とみなされる。